ビデオテープからDVDやパソコンにダビングをする理由は何でしょう?
「再生デッキがなくて見られない」「かさばる」など、不便はいろいろあります。
ですが、デジタルデータ化すべき最も大きな理由は「劣化する」からです。
劣化はおおまかに下記のように分かれます。
経年劣化
長期保存を前提としたライブラリ用のテープも存在しますが、ここでは一般家庭の繰り返し使用のものとして説明します。
磁気の劣化タイミングには諸説ありますが、20年や30年保存しようとすれば、きちんとした環境を用意してやる必要があります。
直射日光が当たらず風通しがよく、多湿でもなく乾燥もない一定の湿度に安定しており、温度変化もほとんどない部屋で、ケースにおさめて立てて保存し、時々デッキにセットして巻いてやる……。など、理想の状態を維持するにはかなり手間がかかります。
一般家庭で撮り貯めたものを、定期的にメンテナンスできる人は限られるでしょう。
置いておくだけでは徐々に画質が荒くなり、ついには再生できなくなります。
テープのたるみ、切断、カセットの変形
ビデオテープの物理的な損傷です。
長期間ビデオテープを保存していると、中のテープがたるんできます。
また熱などによりカセットが変形したりテープがくっついたりすることもあります。
このような状態に気付かずビデオデッキにセットして再生すると、テープが正常に動かずに、中身が飛び出したり、切断されてしまったりします。
カビの発生
ビデオテープ(磁気テープ)は湿気に弱く、カビが生えることがあります。
カビは巻いてあるテープの中にまで入り込みますので、専用のクリーニングを行わない限り、自力で取り除くことは困難です。
そのままデッキに差し込むと、ビデオデッキのヘッドにカビが絡みついて、テープの切断やデッキの故障を引き起こします。
日本の気候、特に梅雨や夏は高温多湿になり、カビにとっては最適な繁殖環境となります。
これを防ぐために冷蔵庫にビデオテープを入れる方もいますが、室内に出した際、急激な温度変化により結露が発生してしまいます。
言わずもがな、これはカビ発生の原因になります。
それでもビデオテープ(磁気テープ)で保存したいなら
DVDやブルーレイ、またはハードディスクやオンラインストレージに「複数」バックアップを取ってしまうのが一番なのですが、どうしても磁気テープで保存する必要がある場合の方法です。
- 高温多湿を避ける
- 近くに磁気を発生させるものを置かない
- きちんとケースに入れる
- テープは立てて保管する
- 定期的に(目安は年1回)早送りと巻き戻しを行う
- テープの途中で止めない(最初か最後まで巻き取る)
要はたるみとカビを防ぐことです。
最適な環境であれば、30年保存も可能だそうですから。
とはいえ、どうしても磁気テープで保存が必要な状況でないなら、素直にデジタルデータ化してしまいましょう。
カビが生えたテープを発見したときの衝撃と悲しみは結構なものですよ……。(私です)
ビデオテープのデジタル化について方法をまとめています。
一番楽でおすすめなのはダビングサービスへの依頼です。